IdentityⅤ 第五人格
タイトル:
悪霊狩り
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作者:
悠璃
時間:
2018-10-14 20:58
タイトル:
悪霊狩り
今日はハロウィン。
みんなが楽しみにしていた秋の収穫祭だ。
「今年は魔女の衣装を着るの!お菓子を沢山貰うの!」
庭師のエマ・ウッズは可愛らしい笑顔を浮かべ、年に1度のハロウィンパーティを心待ちにしていた。
「何を言ってるのよエマ。貴方も今回はお菓子を子供達に配る側なのよ?」
冷静にエマを諭したのは医師のエミリー・ダイアー。
「…分かってるの。でも私も仮装はするの!」
エマは少し頬を膨らませていた。
エマにとってはパーティそのものが楽しみであり、子供達の喜ぶ顔を見ることもまた楽しみの一つだった。
「ピアソンさん、どうしたの?さっきからヤケに大人しいけど…具合でも悪いの?」
エミリーの問いかけにも応えようとしない泥棒のクリーチャー・ピアソンは、小刻みに肩を震わせながら、仕切りに周りを警戒している様子だ。
「ピアソンさん?しっかりするの!」
エマがピアソンを揺さぶると、我に返ったかのように驚いた表情を見せたピアソンは、ゆっくりと口を開いた。
「…ハロウィンの意味を知っているか?」
エマとエミリーは互いの顔を見合わせ、クスクスと笑い合う。
「知ってるの!ハロウィンは秋の収穫をお祝いするの!」
「それと悪霊を追い出すなんて意味合いもあるわよね。どうして突然そんなこと聞くの?」
3人が囲んでいた焚き火を指差しながら、ピアソンは応える。
「お前達はなんともないのか?この焚き火…全く暖かくない…それどころか…」
エミリーは神妙な面持ちで自分の身体を摩り始めた。
「言われてみれば…それに何故かしら?とても不快というか…早くこの場から立ち去りたい気分なのよね。」
「私もなの…せっかくのハロウィンなのに風邪を引いたのかもなの…」
エマからも笑みが消えた。
「エミリー、エマ。ハロウィンの焚き火は魔除けの意味があるんだ。」
ピアソンの一言に、エミリーもエマも驚愕する。
「ま、待ってよ!それって私達が悪霊だとでも言いたいわけ!?」
「そんなの酷いの!」
2人が叫んだ途端、周囲に何者かの気配を感じた。
「そうだ…悪霊は俺達だ…」
早く逃げなければ。
魂が狩られる前に……
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