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怪談の宴
ゲーム内の名前: |
#Pモモ_h |
ゲーム内のID: |
2709983 |
サーバー: |
アジア |
《1.鬼は園内を徘徊する。
2.鬼に見つかってはならない。
3.暗号機を解読し脱出ゲートに電源を入れる。
4.鬼に捕まると荘園に戻される。》
「ねえ、あの噂知ってる?」 「ある遊園地の噂。」
楽しそうな話し声が響き渡る。私はエマ。エミリー、フレディ、ピアソンと一緒に怪談で盛り上がっていたところだ。
「ああ。あの最近オープンした『第五遊園地』の噂だろ?」
エマもその噂は知っていた。一見普通の遊園地だが、一度入ったら最後、ルールに従わないと二度と帰れない。
「まあ、そんなのどうせ作り話だろ。遊園地側が人集めのためかなんかにに作ったんじゃねーの?」
強がるピアソンにエミリーが言った。
「そんなに信じられないんなら皆で行ってみようよ!ハロウィンも近いし、肝試し程度にさ!」
その提案で一気に場の空気が盛り上がった。 この後起こる悲劇など知りもせずに。
ハロウィンの日。
エマたちは第五遊園地に集合した。全員が集まったところで園内に入った。
「なんだ。やっぱり普通の遊園地じゃないか。」
少しがっかりした様子でピアソンがいった。確かに怪しい雰囲気はないし、楽しそうな音楽も流れている。
「やっぱり作り話だったのかなぁ?」「でもせっかく来たんだし少し遊んで帰ろうよ!」
とエマが言った瞬間あたりが一気に暗くなり、霧が立ち込め、エマは気を失ってしまった。
「う…。」
頭が痛い。辺りを見回すとそこには誰もいなかった。楽しそうな音楽もなく、聞こえるのは不気味に鳴っているメリーゴーランドの音楽と、
どこからともなく聞こえてくる鼻歌のみだった。入口の看板は壊れかかり、光を失っていた。
「とにかくエミリーたちを探さなくちゃ。」
ここで取り乱してはきっと助からないと悟ったエマは、心を落ち着かせて歩き出した。
しばらく歩いていると、近くから耳が切り裂けるかと思うほど大きな笑い声が聞こえてきた。エマはその場にしゃがみこみ、声の方向をじっと見た。
するとそこには、不気味なピエロと椅子に拘束されたエミリーの姿があった。どうやらその椅子はロケットになっていて、時間が来ると飛ばされる仕組みになっているようだ。
エマが呆然としていると、
「エミリー!!」
と叫びながら猛ダッシュでやってくる人影が見えた。ピアソンだ。
大声を出したせいか、ピエロがゆっくりとこちらを振り向き、にやりと笑った。そして、ゆっくりと歩き出した。ピアソンはピエロの迫力に圧倒されたのか、
威勢の良かった声は消え、座り込んでいた。
「逃げてーーー!!」
エマは声を振り絞って叫んだが、もう遅かった。ピアソンは風船にくくり付けられ、連れ去られてしまった。
エマは恐怖に怯え、その光景を見ていることしかできなかった。そして、あの噂は本当だったことを理解した。
エマは無我夢中で走り、とにかくピエロから逃げることだけを考えた。
どれほど走っただろう。もうピエロの笑い声は聞こえなくなっていた。
エミリーも、おそらくピアソンも、『荘園』に飛ばされたのだろう。あと残っているのはエマとフレディだけだ。とにかく今は『暗号機』を解読しなきゃ。
エマはピエロに見つからないよう、息を潜めながらも必死に暗号を解読した。そして、すべての暗号を解読し終わり、あとは脱出するだけだ。と思って安心していると、
またあの笑い声が聞こえてきた。
「ひゃっ!」
エマはピエロに驚き、小さな悲鳴を上げてしまった。エマがいる場所は隠れるところがなく絶体絶命のピンチだ。ピエロはすぐそこまで迫ってきている。
もう終わりだ。と思い、目をつぶった瞬間、
「おおい!ピエロ!こっちだー!」
という声が聞こえてきた。フレディだ。ピエロの視線がフレディに向いた。エマもフレディのほうを向いた。エマは、唖然としていた。
「エマ!僕が注意をひいている間に早く逃げろ!!」
エマが走り出したと同時にピエロもエマに気づきこちらに向かって走ってくる。あと少しでピエロに追いつかれる!というところで間一髪でジェットコースターに乗ることが
できた。
それからはなにをしていたか覚えていない。とにかく脱出ゲートまで走り、エマは脱出することができたのだった。そして気づくと病院のベットで眠っていた。
エミリー、フレディ、ピアソンは今行方不明だそうだ。エマのために犠牲になってくれた3人には感謝しかない。
エマはもう二度とあの遊園地には行かないと心に誓ったのだった。
探偵の皆様、あの遊園地にはお気を付け下さいね。
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