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怪談の宴
| ゲーム内の名前: |
ラン吉 |
| ゲーム内のID: |
2939736 |
| サーバー: |
アジア |
庭師、エマ・ウッズは本日ハロウィンのためにしっかりと準備をしていた。ジャック・オー・ランタンの形の籠に、オバケのフードつきマントを着ている。準備万端のエマは満足げな表情で駆け出す。1人目、見つけたのはジョーカー。
「ジョーカーさん！Trick or Treat！」
「へ！？」
突然のことに動揺が隠せないジョーカー。そうか、今日はハロウィンかとエマの格好を見て悟った。
「悪いがお菓子なんて持ってねぇぞ」
困ったように頭を掻くジョーカーにエマは目を輝かせる。
「じゃあイタズラね！」
この少女、可愛い顔して破壊衝動（とある椅子限定）を持っている。どんなイタズラをされるのか正直怖い。その時ジョーカーはハッと思いつき、ボールを取り出した。
「菓子は持ってないがこれでどうだ！？」
いくつものボールを落とすことなくジャグリングを始めたジョーカー。エマは興奮気味に拍手をする。
「凄いの！ジョーカーさん上手なの！」
「これでイタズラは勘弁してくれねぇか...」
「分かったの！」
笑顔で了承してくれたエマにジョーカーはホッと胸を撫で下ろし、手を振って別れた。
続いて見つけたのは白と黒と美智子。
「白さん！黒さん！美智子さん！Trick or Treat！」
「ふふっ。可愛い格好ね。お嬢さん」
「悪戯をされては敵わないな。なぁ、黒」
「そうだな。白」
2人はエマに饅頭のような物を差し出した。
「中国の菓子で月餅（げっぺい）と言う。久し振りに手に入ったものだから白と食べようとしていたのだ」
「中に餡が入っていて美味しいぞ」
「ありがとうなの！でも一個は半分こして2人で食べて欲しいの！」
エマは月餅を二つに分け、2人に突きつける。引く気配のないエマの押しに負け2人は月餅を受け取り口に運んだ。
「懐かしい味だ」
「そうだな。美味い」
満足げに頷く2人をニコニコと眺めるエマの肩を美智子がトントンと叩く。
「可愛いお化けさんにはこれなんてどうかしら？」
エマは小さな可愛い巾着を受け取る。中を覗き込むとそれは小さな星達が詰められているかのようだった。
「金平糖（こんぺいとう）よ。可愛いくて甘くて美味しいの」
「綺麗なの〜！ありがとう！」
エマは美智子に礼を言うと次のターゲットを探した。
ヴィオレッタ、ハスターからも無事お菓子を手に入れ、満足気に歩くエマが見つけたのは「ベインさん！」
断罪狩人ことベインだった。
「なんだ？」
「Trick or Treatなの！」
「そうか。ハロウィンか。丁度良かった」
ほらと渡されたのは袋に入った手作りクッキー。かぼちゃやコウモリの形にくり抜いてある。
「丁度食べたくなって作ってみたんだ。これでイタズラはできまい」
ふふんと鼻を鳴らすベインに顔に似合わないのと言いかけた口を閉じたエマだった。
続いて出会ったのはリッパー。
「リッパーさん！Trick or Treatなの！」
「おや、可愛らしいお化けだ。だが申し訳ないレディ。私はお菓子は持ち合わせていないんだ。代わりに...」
リッパーがエマに差し出したのは黒いステッキ。かと思えばその先からポンッと真っ赤な薔薇が飛び出した。
「貴女に似合う美しい花なんてどうだろう」
「わぁ！綺麗なの〜」
「喜んで貰えて光栄だ」
「でもお菓子じゃないからイタズラなの！」
「え...」
キラキラと顔を輝かせるエマにノーとは言えずお見せできないようなくすぐりを受けたリッパーだった。
かぼちゃのバスケットも満たされてきて、イタズラも出来たエマは上機嫌で歩く。そこを通りかかったのはレオだった。
「レオさん！Trick or Treatなの！」
「え...。そうか、今日はハロウィンか...。生憎菓子なんて持ち合わせてなくてだな..」
困ったように視線を下げるレオにエマはニッコリ笑う。
「じゃあイタズラなの！」
「わ、わかった」
どんなイタズラが来るのかと恐怖しつつレオは目を閉じる。なんせ相手は破壊の女王。この女王にハンター達は何度か苦しめられたはずだ。
しかし、レオが恐れていたことは何も起こらなかった。
エマはフワリとレオに抱きつく。
「レオさんにはこうしたかったの！すごく...落ち着くの...」
胸元に頰を寄せる少女の頭をレオは恐る恐る撫でる。胸に溢れる謎の思いにレオはエマを優しく抱きしめたのだった。
庭師とハンター達のハロウィン |
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に発表する 2018-10-16 17:35:57
