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夕暮れの遊園地【とある少女の話】

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トピ主
投稿時間: 2018-10-16 19:19:18 携帯電話から | 投稿者のコメントのみ表示 コメントボーナス |逆順にブラウズ |閲読モード
怪談の宴
ゲーム内の名前: kakera
ゲーム内のID: 1116287
サーバー: アジア
悲鳴が聞こえる。

一緒に脱出しよう、そう誓い合った仲間の絶望に呑まれる声。
私を含めて8人いた仲間もとうとう私1人になってしまった。

メリーゴーランドの音だけが頭にガンガン響く。
ここで捕まればまたあの地獄に戻される。逃げなくては。

そう思っていたのに、弁護士を殴りつけた巨躯を見た途端心臓が止まった。
ビクンと跳ねた体が工具箱を倒してしまう。お父さんに買ってもらったお気に入りの工具箱…。それを気にしている暇もなかった。

壁の向こうから巨躯が顔を出す。
目が、合った。

長いこと見つめ合っていたようにも、一瞬だったようにも感じる。
金属的な足音が聞こえた。昔サーカスで見たピエロがその時よりも恐ろしい姿でこちらに近づいてきていた。

ピエロが近づいてくる。でも私はもう1人の彼に釘付けになっていた。

彼はピエロの攻撃を遮るように私を殴りつける。
加減されたのか、意識は途切れない。

少し霞んだ目に彼が得物を回す姿が映る。
その動きに懐かしさを覚えた。彼には長いものを持つとクルクル回す癖が合った。

巨躯に担ぎ上げられると、この遊園地がまだ賑わっていた頃の思い出が蘇る。
お父さんに抱っこされてメリーゴーランドに乗ったこと、サーカスのピエロが怖くて泣きじゃくったこと、ジェットコースターに何度も乗ったらお父さんがグロッキーになっていたこと。そして…、疲れたときはこうやって抱っこしてもらったこと。

私を担いだ彼の顔を見ても表情はマスクに隠れて伺い知れない。
それなのに、私は彼が泣いているように感じた。

とうとう椅子に着いてしまった。
本来なら絶望するのだろう。この椅子は私たちにとって絶望の象徴だ。

だけど私はその中に希望を感じていた。
荘園に戻されたらまた脱出を企てればいい。

次に失敗したら殺されるかも知れない。
でも、脱出しようとすればまた彼に会える。それだけが私の希望だった。

ああ、もう椅子が飛んでしまう。
最後に何か伝わればと思い、私は口を開く。

掠れた声しか出なかったけど、彼に届いてればいいな。

「また遊ぼうね、お父さん」
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