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探偵 オルペウスの人格

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に発表する 2018-10-14 18:38:04 携帯電話から | すべてのコメントを表示 |閲読モード
怪談の宴
ゲーム内の名前: OwlSoul
ゲーム内のID: 10948394
サーバー: アジア
本棚に手を伸ばし、1つ、本を手に取る。埃をかぶったずっしりとした重みのある日記である。それは私の背丈より随分と高い本棚にずらりと並べられている本の一つに過ぎない。
ペらり、ページをひとつ捲る私はこの日記を通して数多の人格に、ある種、憑依のように乗り移り、その心情を、思いを覗いてきた。
ある時は逃げ惑うサバイバーであり、またある時は追いかけるハンターであった。そうして何冊も何冊も繰り返し読み続け、その人格を覗いているうちに、「自分がこのゲームの参加者なのではなかろうか」という実に馬鹿げた思いが私の首をもたげた。

そんなわけはない。私はただこの日記越しに、「参加者」を体験してるに過ぎないのだから。つまりは単なるの 傍観者である。

「本当に?私の中の私が問いかけた。それにしては、随分と臨場感があった。恐怖もあった。ただの傍観者では考えることもないような脱出方法や捕獲方法の模索をしていたではないか。そう、まるでゲームの参加者であるかのごとく。」

私は首を振った。いいや、違う。私はライシンバッハ氏からの依頼を預かりここに赴いた探偵に過ぎない。このゲームに参加する動機も、何もないのだから。

「本当に?私の中の私が今一度問いかけた。そもそも、ライシンバッハ氏とは誰なのか?思い出せるのか?ライシンバッハ氏というのがお前の中にしかいない存在だと、どうしてそう考えはしないんだ?」

ライシンバッハ氏はライシンバッハ氏である。それ以外にちょうど良い回答などない。私がそう首を振っても、私の中の私は満足していないようだ。さらに畳み掛けるようにして問いかけた。

「そもそも、どうしてお前はこのゲームの事をこと細かく知っているんだ?探偵だから?たかが一探偵のなせる技なのか?お前のそれはもはや、自分が」

違う。

「このゲームの主催者そのもののようではないか」

私の中の私がそれぞれ皆口を揃えた



「そもそもお前は」



『だまれ!!』


バリン、と音がした。その続きは聞きたくない。頭が痛い。私は感情の赴くままそばにあった鏡を勢いよく叩いた。鏡にはヒビが入り、割れた破片が拳に突き刺さり、ヒビに従ってポツリと血が垂れ落ちた。


『きっと、疲れてるんだ。今日は日記を読むのはやめよう。ゆっくり休もう』



私は呼吸を整えてから静かに顔をあげた。その時、ヒビの入った鏡に写った私と目が合った。




鏡の中の私が口を開く



すう、と小さく息を吸う音も聞こえていた





私がやめろと叫ぶ前に、割れた破片のそれぞれにうつった4人の私は声を揃えた











「   お前は   誰だ   」
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